こんにちは。行政書士の石濵です。今回から数回に分けて不動産の賃貸契約でおなじみの礼金や敷金について解説します。なんとなくどんなものかは知っていても、不動産屋さんでもなければなかなか説明できませんよね。みなさんの参考になるように頑張ります。まず、今回は礼金とは何か、また礼金に関する注意点を解説したいと思います。

 礼金とは一般的には「大家さんに対し、賃貸借契約を結んでもらったお礼」として支払うものだという認識が一般的です。但し、実際の内部関係では大家さんから仲介業者に支払う広告料として使われているケースが多いそうです。私も一度不動産管理会社にいたことがありますが、消費者に請求する礼金=仲介業者への広告料という認識で、仲介業者が身銭を切って消費者から要求された礼金の値下げを呑むこともありました。これは宅地建物取引業法及び国土交通省の定める宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額によると、合計で通常の借賃の1.1倍までしか受領できないという規定がある為、名目上は”お礼”ということにしなければならない為だと思われます。
 ただ、ケースによっては礼金を”お礼”ではなく”賃料の前払い”や”自然消耗の現状回復費用”ととらえる場合もあるとのことで、賃貸借契約を解除した後に返還されるケースもあります。(大阪簡易裁判所 平成23(2011)年3月18日判決確定)

 正当な理由があり、礼金の返還を争うことがあれば、場合によっては弁護士の先生に一度相談されるのが良いのかもしれません。
 また、礼金という文言を使わない場合でも、一般的には礼金として扱われる費用もあります。(権利金など)

今回はここまでです。いかがでしたでしょうか。次回は敷金について解説します。