こんにちは。行政書士の石濵です。
さて、今回の記事の表題ですが、これはわが町東海市で現在も有効であるれっきとした条例です。これは実際に平成26年に東海市にて交付、施行されたもので、東海市の名誉市民であるカゴメ株式会社の創業者である蟹江一太郎さんが、明治32年に東海市荒尾町でトマトの栽培を成功させたことを受け、トマトのおいしさとその豊富な栄養による健康づくりを前面に押し出した東海市政策の一つです。
あまり知られてはいませんが、東海市のトマト推しは日本全国ナンバー1ともいわれており、「トマト記念館」なるカゴメ資料館兼レストランやゆるキャラ「トマティーヌ」なるものが存在し、市内や近隣市町の祭りごとには「トマトの蛇口」が派遣され、人々にトマトジュースをふるまっています。
と、東海市のトマト推しに関しては理解していただけたと思いますが、条例という公式ものでこんな悪ふざけのような事をしてもいいのか疑問に思いませんか?
条例ってなに
条例とは地方公共団体(県や市、東京都の区なんかのことです)が独自に定めることができる法の形式で、日本国憲法第94条に根拠があります。
また、罰則に関しても2年以下の懲役・禁錮、100万円以下の罰金、拘留、科料、過料を定めることもできます。
トマトで健康づくり条例の中身
さて、この条例の中身を見てみましょう。概要を説明しますね。
- 目的
市民の健康づくりに対する意識の向上と健康の増進に寄与すること - 市の役割
市民や事業者、市民活動団体と連携してトマトの情報発信やトマト料理の開発、普及に努める - 市民などの協力
市民は市が実施するトマトを活用した健康づくりに関する取り組みに協力するよう努める - トマトの日の制定
毎月10日はトマトの日 - トマトジュースによる乾杯の推奨
市は、市民の健康的な食生活に向けた意識の高揚を図るためにトマトジュースによる乾杯を推奨するものとする
んーなんか商業的な香りがしますね。当然のことながら罰則規定はなく、トマトの普及に努力し、トマトジュースの乾杯を推奨し市民の健康維持に努める程度の事しか読み取れません。
ですが、条例という厳かな法形式と緩い内容のミスマッチで、他の市町村出身者に東海市の事をアピールするときに「知ってる?東海市って変な条例があるんだよ」といえば話のネタになりますし、””東海市の知名度を上げる”ことに関しては多少は寄与してるのかな?
他にもあるよ、変な条例
いろいろと探すと、他にも変な条例がありました。
ポエムっぽい条例(熊本県人吉市)
キューピット条例(三重県紀勢町)
梅干しでおにぎり条例(和歌山県みなべ町)
などなどほかにもあります。
ちょっと滑ってる感じも否めませんが、お金をかけずに地元をPRできる、良い方法なのかな?とも思えてきました。