こんにちは。行政書士の石濵です。前回に引き続きですが、HACCPの具多的手法の⑥危害要因の分析の解説をします。この項では、①~⑤までの事前準備で得たデータを踏まえ、安全を害す要因を探します。
 そもそもHACCPの語源はHA(Hazard Analysis・危害要因分析)とCCP(Critical Control Point・最も重要な点)を組み合わせた造語で、HAの部分である⑥の危害要因の分析はHACCP導入を行う上で最も重要な項目の一つとなります。①でチームを作り、そのメンバーが一丸となって②~⑤を実施してきたのであれば、すでに危害要因分析を行うことができるだけの業務知識が共有されている事でしょう。
 前回までの繰り返しになりますが、せっかく事前準備を念入りにしたのにここを適当にやってしまうと全てが無駄となってしまう可能性があるので、それを肝に銘じてください。

⑥危害要因の分析

HACCPが対象としている食品の健康危害は次の3つに分類されます。
Ⅰ.生物的な危害(微生物、害虫害鼠によって引き起こされる食中毒の原因となるもの)
Ⅱ.科学的な危害(農作物の農薬、使用する洗剤や化学物質の混入に起因するもの)
Ⅲ.物理的な危害(プラスチック片や鉄片、画びょう等の混入に起因するもの)
この3つの危害が、危害要因分析を行う工程のどこに潜んでいるかを洗い出します。

例えば、おにぎり屋さんを例にします。おにぎり屋さんの工程は、以下のようになります。
ⅰ.米及びその他の食材の入荷
ⅱ.お米を炊く
ⅲ.具材を調理する
ⅳ.おにぎりを握る
ⅴ.おにぎりを販売する
(本来はもっと掘り下げるべきですが、説明の為、あえて簡略化します。ご理解ください。)
そのうちⅱのお米を炊く工程の手順を見てみましょう。

  1. お米を袋から出す
  2. お米を手でとぐ
  3. 炊飯器のスイッチを入れ30分待つ
  4. 炊けたお米を別の容器に移す

 ここから1を行う時の危険を考えましょう。まず、袋片の混入が挙げられます。これはⅢの物理的な危害に当たります。次に米の袋が破れ、そこから虫が混入することも考えられます。これはⅠの生物的な要因に当たります。
 このように考えられる危害要因を挙げていきましょう。この段階では、重大な危害なのかどうかは問題ではありません。とにかく考えられるだけ挙げましょう。その後、上がった問題点を重要度によって分別します。重要度の決め方は、
・法律に基準があるか
・発生時の重篤性が高いかどうか
・発生頻度が高いかどうか
を鑑みて考えます。ここで各項目の点数を設定し、それを次のステップである重要管理点の発見につなげます。

ここまでがHAです。ということで続きは次回に持ち越します。またよろしくお願いします。