こんにちは。行政書士の石濵です。今回は前回に引き続き、遺言に関する法律の紹介、解説をします。
 これまで相続に関する民法を紹介してきましたが、遺言に関する内容が終わると、ちょうど相続関連部分は一通り紹介したことになります。ですが、遺言に関する条文は数が多いため、もうしばらくお付き合いください。

第964条(包括遺贈及び特定遺贈)
遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部または一部を処分することができる。

 遺言を残した方は特に財産の内容を指定しなくても、財産を指定する形でもその財産の処遇を決めることができます。
 遺贈とは、遺言によって、他人に財産を贈与することです。法定相続人以外に財産を遺したい場合は、必ず遺言書という形を用いなければいけないこととなっています。

第965条(相続人に関する規定の準用)
第886条及び第891条の規定は、受遺者について準用する。

 第886条は胎児の相続権についての条文、第891条は相続欠格(不当な相続を敢行した場合は相続人となることはできない)についての条文です。こられの条文に書かれていることは相続人だけでなく受贈者に関しても適用される旨が書かれています。

第966条(被後見人の遺言の制限)
①被後見人が後見の計算の終了前に、後見人又はその配偶者もしくは直系卑属の利益となるべき遺言をしたときは、その遺言は無効とする。
②前項の規定は、直径血族、配偶者又は兄弟弟妹が後見人である場合には、適用しない。

 ①は家族以外の者が後見人になった場合のことです。後見人が、立場を利用して都合の良い遺言を書かせている可能性があるため、そのような都合の良い遺言を無効としています。
 ②は①とは逆に家族が後見人になった場合のことです。家族であれば、後見人という立場を利用した不正は少ないであろうと、このような取り決めになっています。

今回は以上となります。次回は建設業の事を少し書こうと思います。また、民法解説も機会を見つけて書きますので、よろしくお願い致します。