こんにちは。行政書士の石濵です。今回は行政書士の主要な業務の一つと言われている建設業の許可申請について説明します。
 当然のことながら、建設業の許可申請は、建設業を行う業者さんが必要となるものであり、行政書士に依頼しなくてはいけないわけではありません。十分に自分で申請をすることは可能ですし、費用も安く済みます。当ブログでは、読めば自分の力で建設業の許可申請ができるように解説をしたいと思いますが、本来の業務である建設業に力を注ぐために外注を考えられている場合は是非是非行政書士石濵事務所へお任せください!(^^)!

建設業の許可申請をが必要な理由・必要となる者

 他の様々な許認可にも共通して言えることですが、「行政側の都合によって法律によって定められているから。」です。但し、当然のことながら理由があります。具体的には建設業の許可についてや許可の条件、許可の申請の仕方なんかについては建設業法(及び建設業法施行規則他)に書かれています。55条からなる法律であり、申請方法や申請の種類もこの法律が根拠となります。それでは、大事な部分をかいつまんで説明します。
①建設業許可の目的
 目的は建設業法第1条に書かれています。条文から内容をを抜粋すると、
 1.建設工事の適正な施工の確保と発注者の保護
 2.建設業の健全な発達の促進
この2点となります。要するに、”建設業者が好き勝手しないように、依頼者を守るのと同時に建設業を守り盛り立てよう”というような内容になります。

②建設業の定義
 建設業法2条及び別表1にまとめられています。これらの工事を行う際は、軽微な建設工事を除き、各業種の建設業許可が必要となります。以下、別表1をまとめたものになりますのでご参考ください。

NO工事の種類        具体的な内容
1土木一式工事総合的な企画、指導、調整のもと土木工作物を建造する工事
2建築一式工事総合的な企画、指導、調整のもと建造物を建造する工事
3大工工事木材の加工、取り付けによる工作物を建造、工作物に木製設備を取り付ける工事
4左官工事工作物に壁土、モルタル、しっくい、プラスター、繊維等をこて塗り、吹き付け、又ははり付ける工事
5とび・土木・コンクリート工事①足場の組み立て、機械器具、建築資材等の重量物運搬配置、鉄骨等の組み立て、工作物の解体等を行う工事
②くい打ち、杭抜き及び場所打ぐいを行う工事
③土砂等の掘削、盛上げ、締め固め等を行う工事
④コンクリートにより工作物を建造する工事
⑤その他の基礎的ないしは準備的工事
6石工事石材の加工又は積方により工作物を建造し、又は工作物に石材を取り付ける工事
7屋根工事瓦、スレート、金属薄板等により屋根をふく工事
8電気工事発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事
9管工事冷暖房、空気調和、給排水、衛生等の為の設備を設置し、又は金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を配送する為の設備を設置する工事
10タイル・煉瓦・ブロック工事煉瓦、コンクリートブロック等により工作物を建造し、又は工作物に煉瓦、コンクリートブロック、タイル等を取り付け、又ははり付ける工事
11鋼構造物工事形鋼、鋼板等の鋼材の加工又は組み立てにより工作物を建造する工事
12鉄筋工事棒鋼等の鋼材を加工し、接合し、又は組み立てる工事
13ほ装工事道路等の地盤面をアスファルト、コンクリート、砂、砂利、砕石等によりほ装する工事
14しゅんせつ工事河川、港湾等の水底をしゅんせつする工事
15板金工事金属薄板等を加工して工作物に取り付け、又は工作物に金属製の付属物を取り付ける工事
16ガラス工事工作物にガラスを加工して取り付ける工事
17塗装工事塗料、塗材等を工作物に吹き付け、塗り付け、又ははり付ける工事
18防水工事アスファルト、モルタル、シーリング材等によって防水を行う工事
19内装仕上工事木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事
20機械器具設置工事機械器具の組み立て等により、工作物を建設し、又は工作物に機械器具を取り付ける工事
21熱絶縁工事工作物又は工作物の設備を熱絶縁する工事
22電気通信工事有線電気通信設備、無線電気通信設備、放送機械設備、データ通信設備等の電気通信設備を設置する工事
23造園工事整地、樹木の植栽、景石のすえ付け等により庭園、公園、緑地等の苑池を築造する工事
24さく井工事さく井機械等を用いてさく孔、さく井を行う工事又はこれらの公示に伴う揚水設備設置等を行う工事
25建具工事工作物に木製又は金属製の建具等を取り付ける工事
26水道設備工事上水道、工業用水道等のための取水、浄水、配水等の施設を築造する工事又は公共下水若しくは流域下水道の処理設備を設置する工事
27消防設備工事火災警報設備、消火設備、避難設備もしくは消火活動に必要な設備を設置し、又は工作物に取り付ける工事
28清掃施設工事し尿処理施設又はごみ処理施設を設置する工事
29解体工事さまざまな工作物を解体する工事
なお、解体工事は平成28年6月に新たに新設された区分です。平成28年6月までにとび、土木、コンクリート工事の許可を受けていれば解体工事を行うことができます。

また、軽微な建設工事とは、以下のようになります。

③よくある注意点
建築許可を取らなければいけないのかどうかに関する注意点です。Q&A方式にしてみました。

中小企業社長Aさん

Q 今までも今後も大きな会社からの下請けしかやるつもりはありません。そんな下請けの立場でも建設業許可って取得する必要がありますか?

A もちろんです。請負金額が一式の場合は1,500万円(又は木造住宅で延べ面積150㎡以下)を超える場合、それ以外の公示の場合、500万円を超えるばあいは元受け、下請けの立場に関わらず建築許可が必要です。罰則規定もありますので必ず守りましょうね。

イシハマくん

中小企業社長Bさん

Q 建設許可って金額によっては必要ないのかい?だったら工事を2回とか3回に分けちまえばいいんじゃね?それで1回あたり300万の工事とかにすればいいじゃん。

A ダメですよ。工事を分割しても、請負金額は工事全体で合算して考えます。ですが、何らかの正当な理由がある場合ならば大丈夫です。判断はケースバイケースになるので必ず管轄の建築振興課なんかに確認しましょう。

イシハマくん
中小企業社長Cさん

Q じゃあさ、元受けで材料揃えておいてよ。そうしたら下請けの金額も安くできるじゃん。人件費だけの請求にして500万円超えない工事にしてよ。お願い。

A これもダメなんですよ。請負金額の計算方法は材料費の市場価格や運送費なんかも含めて計算することになっています。(建設業法施行令第1条の2第3項)

イシハマくん

いかがでしたでしょうか。どのような人が建設許可を取得しなければならないかご理解いただけたと思います。次回は建設許可は誰が許可するのか、特定建設業許可と一般建設業許可の違いを説明します。宜しくお願い致します。