こんにちは。行政書士の石濵です。今回はHACCP導入時のモニタリング方法
の設定を解説します。
モニタリング方法とは前回の回に定めたCL(Critical Limit)が守れているのかどうかを調べる方法の事です。どのようなCCPに対するモニタリング方法なのかによって方法は違うので、その都度適当な方法を設定する必要がありますが、どのようなCCPであっても次の事項に留意して設定することが必要です。
“なにを・いつ・だれが・どこで・どのように”を明確にする
例として、フライを製造する工程を想像してください。フライを製造するにあたり、食中毒を防ぐ為の温度管理をCCPと定め、中心温度90度以上で3分の過熱をするというCLを設定しました。このケースでの「なにを」とは当然「フライの中心温度を」という事になります。
次に「いつ」ですが、これを明確にしないと均一な管理ができません。作業毎に中心温度を計るのか、100個のうち1個をピックアップして計るのか、10分毎に1個を計るのかを明確にします。
「誰が」とは誰が中心温度の計測をするのかという事です。作業を行っている者がチェックするのが一般的ですが、チェックのみを専属に行う者を定めても問題ありません。また、作業を行っている者がチェックする場合でも、具体的にどの立ち位置の者が行うのかを明確にする必要があります。
「どこで」とは、今回のケースの場合は中心温度を測る場所の事です。作業場でおこなうのか、チェックを行うスペースを設けるのかを決定する必要があります。
「どのように」とは具体的なチェックの行い方の事です。「Aという温度計をフライに差し温度計のスイッチを入れ、音が鳴るまで待ち、表示された数値を確認し用紙に記載する」くらいの具体的な行い方を定める必要があります。
また、モニタリングを行た際には必ず記録に残す必要があります。HACCPを実行し、「危害要因を100%無くす」ことができれば一番良いのですが、そのようなケースはほぼあり得ないといっていいでしょう。危害を確実に減らし、万一発生してしまった時に立ち返って記録を確認し、原因を追究し更に危害を減らすというサイクルを回すのがHACCPの利用方法です。記録すべき内容はCCPによって異なりますが、共通して以下の内容は記録すべきだと考えます。
・チェックシートの名称と識別符号(日付・時間・ラインNOほか)
・チェックを行う商品名
・チェックを行う部署名及び工程名(又はそれが識別できる情報)
・管理項目と管理基準
・モニタリングを行った結果
・担当者及び責任者のサイン
その他必要とされる項目をまとめ、一覧表形式にするとよいでしょう。
では、今回はここまでです。次回も宜しくお願い致します。