こんにちは。行政書士の石濵です。今日はギャンブルについて書かせていただきます。ぱっと思いつく中でパチンコ、宝くじ、競馬、競輪、競艇、麻雀、結構な数のギャンブルが出てきます。「ギャンブルは違法」これは多くの方が持っている感覚ですが、この感覚はどこからきているのでしょう。当然倫理観の問題もありますが、法律という視点で見てみましょう。今回はパチンコを中心に見ていきます。

 ギャンブルを規制する法律はまず刑法第185条があります。内容を簡単に言うと「賭博をした者は罰金か科料にする。但し安価な物とか現金化が困難なものは除く。」というような内容になっています。
 ここで注目して頂きたいのは賭博という言葉です。法律上は偶然の勝敗によって財物その他財産上の利益の得喪を争うことをいうそうです。パチンコは前述の賭博に当たるのでしょうか。
 当然賭博だという意見もありますし、パチンコは自分でハンドルを回し、玉のはじき具合を調整したり、スロットではタイミングよくボタンを押さないといけないことから偶然の勝敗によっていないので賭博ではないとの意見もあります。答えは正直出ていません。では、なぜ賭博である可能性もあるのに現在営業ができているのでしょうか。

 理由として刑法第35条によって違法性を免れている事が挙げられます。この法律の条文は「法令又は正当な業務による行為は罰しない」とあり刑法とは別の法律で許可されている場合は営業しても罰を受けないという意味です。そして”風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律”(風営法)によってパチンコを行える根拠が示されています。風営法第1条で風俗営業は警察がちゃんとルールを定めて管理しますよという内容が、第二条4項でぱちんこ店がこの風俗営業に該当しますよという内容です。

 ここまでで「法律で罰せられないからパチンコは賭博じゃない」という理屈が危ういながら成立します。ですが、実際賭博性はどうでしょうか。 それに関してはさらに風営法で規制があります。第19条では遊戯料金について下位法令にて基準を定める旨が、第23条で換金の禁止が、それぞれ定められています。
 ですが、遊戯料金に関してはギャンブル等依存症対策基本法にぱちんこ等に多重債務を抱える危険性があると記載されていることから十分な規制ができているとは言い辛く、換金の禁止も三店方式で実際に換金(まがい)が成立しています。
 ちなみに3店方式とは、パチンコ屋が交換した景品を偶然となりにある古物商が買い取りそれを卸問屋が買い取り卸問屋が景品をパチンコ屋に卸すという異様な仕組みです。

 いかがでしたでしょうか。パチンコは違法かどうかという問いには答えは出そうにありませんが、現状は理解して頂けたと思います。では、次回もよろしく。