こんにちは。行政書士の石濵です。今回はHACCP導入の改善措置の設定です。
前の回でモニタリングの方法を定めました。これにより、当該CCPにおけるCLを満たしているかどうかの判断をすることができるようになりましたが、この判断の結果CLを満たしていなかった場合どのように対処するのかを定める必要があります。
今回も前回に引き続きフライの製造工程を例にします。モニタリング方法は担当者が定期的に中心温度を測り90℃を3分以上確保することだとしましょう。適切に温度が確保できていた場合はチェックシートに記録を残し問題なく次の工程に進めばよいのでしょうが、問題があった場合は何らかの対処をしなければなりません。この例の場合ですと、90℃を3分以上確保することができなかった場合ががそれにあたります。この場合の改善措置の設定は以下の内容が考えられます。
・前回の中心温度測定時から今回の測定の間に製造したフライを再加熱し、改め
て中心温度90℃を3分以上確保する。
・前回の中心温度測定時から今回の測定の間に製造したフライを全て処分し、新
たな原材料を用い、フライを製造する。
そして、現場はあらかじめ定まっていた改善措置を講じたことを記録に残し、場合によってはその都度管理者又は工程のリーダーに申し伝えをします。そして管理者たちは今回規定された温度を確保できなかった理由を追及し、工程の改善等の策を用いることになるでしょう。1度や2度のトラブルでしたら現在の工程に不備があるわけではないのかもしれませんが、何度も同じトラブルが発生するようであれば確実に工程内に悪い箇所があるはずです。
さて、改善措置の設定ですが、設定に当たり以下の点に留意しましょう。
1.不具合が起きた時に、不具合の対処法の他に正常な業務に復帰する手順を組み
込むこと。
2.改善措置を行う事を判断する者を明確にすること。
3.改善措置の記録の取り方及び記録者を明確にすること。
今回は以上となります。次回も宜しくお願い致します。