こんにちは。行政書士/社会保険労務士の石濵です。今回は国民年金第1号被保険者(自営業者など)が将来受け取る年金の額を増やすための仕組みである付加保険料について簡単に説明します。

 サラリーマンや公務員等国民年金2号被保険者は厚生年金に加入義務があり、毎月給与より保険料を天引きされ、厚生年金保険料に充てられています。現役世代は給与の9.125%を天引きされ実際の給与よりずいぶん目減りした手取り金額を受け取ることとなります。一方自営業者等国民年金の第1号被保険者は国民年金こそ自ら納めなければなりませんが、厚生年金保険料を納付する必要がなく、収入に係る手取りの割合はサラリーマンよりも大きい為、サラリーマンや公務員は自営業者と比べ不公平に思うかもしれません。

 しかし、厚生年金保険料は会社や官公庁が被保険者の天引き分と同一金額の厚生年金保険料を納付していることもあり、自らの納付金額以上の恩恵があります。そもそも65歳を超えて悠々自適の年金暮らしをしようと考えると第1号被保険者の年金額は最大で年額¥780,900×改定率(国民年金のみ)であるのに対し厚生年金被保険者である第2号被保険者の2019年度の平均月額金額は¥144,268(国民年金+厚生年金の場合)となります。

厚生年金保険・国民年金事業の概況より

 年額に換算すると第2号被保険者は何とか年金だけで生活することも可能なような気がしますが、第1号被保険者は年金だけではとてもじゃありませんが生活していくことは不可能です。

 そんな第1号被保険者の年金額を少しでも上乗せする制度の一つに付加年金というものがあります。これは第1号被保険者のみ行える制度であり、非常にお得感のある制度です。

付加年金保険料

 付加保険料は毎月の国民年金保険料に加え、¥400/月となります。令和4年度の毎月の国民年金保険料が¥16,590の為、約2.5%年金保険料の上乗せになります。年額にすると¥4,800で仮に20歳~60歳までの40年間(480か月)付加年金に加入したとすすと¥19,200となります。

付加年金の受給額

 受給できる付加年金は¥200×被保険者月数となります。仮に20歳~60歳までの40年間付加年金に加入していた場合年額で¥96,000の受給年金額増となります。

 2年間の年金受給で元が取れる為、額は低いですが、お得感はあると思いませんか?

付加年金に加入することが出来ない者

 大前提として第1号被保険者のみが加入できるものとなります。第2号被保険者や第3号被保険者は加入する事ができませんのでご注意ください

 その他、第1号被保険者であっても以下の場合は付加年金に加入することはできません。

  • 保険料全部免除を受けている者及び保険料一部免除を受けている者
  • 国民年金基金の加入者
  • 特例による任意加入被保険者(65歳を超え、受給資格がない者)

今回はここまでです。ご覧頂きありがとうございます。