こんにちは。行政書士の石濵です。今回は前回の続きで、内容証明の出し方のルールを解説します。
 インターネットによる内相証明の郵送もできますが、日常的に内容証明を利用する人以外は郵便局の窓口で依頼する方が簡単でしょう。インターネットによる郵送は次回以降に機会があれば解説しますが、今回は窓口での出し方の解説となります。
 さて、過去には「郵便局はお役所だから不親切」と揶揄られていた時代もあったと聞きますが、僕は郵便局の窓口で不便をしたことは一度もなく、わからないことがあっても窓口で尋ねれば回答をもらうことができるので、初めて内容証明を出すときは窓口で「初めて内容証明を出します。教えてください。」と素直に言うと非常にスムーズに事が進むと思います。ですが、最低限の準備がないと、何度も家や会社と郵便局とを往復し、時間を浪費してしまう可能性があるため、きちんと下調べしてから郵便局に行くことをお勧め致します。

内容証明を出す際に必要なもの、必要なこと

 内容証明を出す際に、以下のものが必要になりますので事前にご準備をお願い致します。
 ・内容証明にする手紙(同じものを3通・コピー可)
 ・封筒 1通(送付用)
 ・差出人の印鑑
 ・郵便料金

 内容証明にする手紙の書き方がわからない場合はこちらをご参考ください。また、内容証明にする手紙は、郵便局の窓口でチェックされることになりますので封筒に封をしないでください。
 差出人の印鑑は、手紙の内容に不備があった際の訂正等で使用します。完璧な内容であれば必要ないかもしれませんが、万一の備えでできる限り持っていってください。
 それから、内容証明はどの窓口でも対応しているわけではありません。最寄りの取り扱い窓口は以下のサイトから検索することができます。

日本郵便株式会社HP 郵便局を探す

 では、内容証明の郵送の手順を解説します。

① 郵便局の窓口に内容証明を送付したい旨を告げる

 窓口で内容証明を送付したい旨を告げ、手紙3通と封筒を窓口に提出すると、窓口で書き方のルールに乗っ取っているかのチェックが行われます。この際に使ってはいけない文字や記号があれば指摘がありますので訂正をお願い致します。
 チェックが終了すると、各手紙に「この郵便物は令和○年○月○日第○○号書留内容証明郵便物として差し出したことを証明します。」という内容のスタンプと通信日付印が押されます。その後、1通は郵便局で保管され、1通は差出人の控えになり、そして最後の1通は差出人の手で封筒に入れ、窓口に提出することになります。

② 追加のサービスを申し込む

 何度かブログに書いていますが内容証明は、「この手紙を郵送したことを証明します。」という意味合いのみで相手が「そんな手紙は届いていない」と抗弁した時の反証はできません。ですのでほとんどの場合、配達証明(確かに相手に届いたことを証明する)を追加します。
 さらにケースによっては速達や本人限定受け取り等のサービスを併用し、目的が達成できるようにします。併用できるサービスはこちらでご確認ください。

日本郵便株式会社 内容証明と併せてご利用可能な主なオプションサービス

③ 費用を支払う

 以下が内容証明にかかる費用です(令和2年10月現在)。正確な費用は日本郵便株式会社にお問い合わせください。
・内容証明料金・・・440円(1枚の場合・複数枚の場合は2枚目から+260円)
・書留料金・・・435円
・通常郵便料金・・・84円(定型かつ25gまで)
・配達証明料金・・・320円
・その他オプション料金

書留・特定記録郵便物受領証を受け取る

 こちらの受領証は書留による配達物紛失時の損害補償の際に必要となる場合の他に、内容証明郵便の郵便局保管分を閲覧する場合に使用することがありますので無くさずに保管してください。非常に大切なものになります。
 なお、内容証明の郵便局保管分は5年間保存されることになります。その後は保管サービスはありませんのでご注意ください。この5年間はいつでも内容証明の郵便局控え分を閲覧することができますが、閲覧できるのは差出人だけとなりますのでご注意ください。

 今回はここまでにします。ほとんどの方は、内容証明を使用する機会は極端に限られていると思います。だからこそ専門家に作成を依頼する人が多いとは思いますが、内容さえ決まっていれば自分で作成、送付することは十分に可能であると知ってもらえたのではないでしょうか。
 例えば内容相談のみを専門家に依頼することも可能だと思いますので、機会があれば作成、送付に関してはご自身でチャレンジしてみてください。
 では、次回もよろしくお願い致します。