こんにちは。社会保険労務士のいしはまです。今回は老齢基礎年金の支給開始を遅らせるることによりその後の年金額を増やす老齢基礎年金の繰り下げ支給について説明します。
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老齢基礎年金とは、国民年金被保険者(一部を除き、60歳未満の日音国民は殆ど皆国民年金の被保険者です。)が65歳を超えた時に被保険者期間と保険料免除期間(及び合算対象期間)が10年を超えている場合に受給することができる、老齢を原因とする年金です。
前回は老齢年金の繰り上げということで、65歳になる前に老齢年金が受給できる制度の紹介をしましたが、今回は65歳を超えても年金受給を先延ばしにすることにより年金額を増額させる制度となります。老齢年金の繰り上げは60歳以降であれば本来の支給開始までの間のどのタイミングでも請求することができましたが、老齢年金の繰り下げは少なくとも66歳を超えるまでは請求することができません(65歳1か月~66歳0か月の間に年金の請求をしても本来額への増額はありません)。また、繰り下げできる最大期間も定められており、どんなに永く繰り下げても75歳までとなっています。
さて、肝心の増額率に関しては次の計算式をご覧ください。
増額率=7/1,000×繰り下げ月数
例を挙げると老齢基礎年金の満額支給時の金額が¥780,900(×改定率)なので、65歳から満額支給を受けられる予定の方が67歳0か月になるまで繰り下げを行った場合は
¥780,900+(780,900×7/1,000×24か月)=¥912,091 (改定率は考慮しない)
となります。このケースでは毎月¥10,900程度年金が増額するという結果になりました。この結果が得なのかそんなのかは次の表をご確認ください。
ざっくりと計算すると、以上のようになります。日本人の平均寿命は男性約81歳、女性約87歳と言われています。これを加味すると…どうなんでしょうね?
当然のことながら、「受給できる年金総額が得か損か」よりも、「現段階で生活を営む上で年金が必要かどうか」を念頭において年金請求時期を考えてください。
今回は以上となります。ありがとうございました。