こんにちは。行政書士の石濵です。当ブログでは法律の豆知識的な話をしていきたいと思います。興味のある話だけでも読んでいただけたら嬉しいです。宜しくお願い致します。

 さて、初回は署名と記名について簡単に説明したいと思います。皆様、署名と記名はどう違うかご存じでしょうか。多分半分以上の方は知っていると思います。正解ですが、署名は自らが自筆することで記名は自筆以外の方法で記載すること(タイプライターやスタンプ等)だそうです。では、記名と署名の意味合いの違いはご存じでしょうか。これはほとんどの方がご存じではないのではないかと思います。僕も社長をやっている時は知らず、法律を勉強して最近知りました。商法32条に以下のように記載があります。

”この法律の規定により署名すべき場合には、記名押印をもって署名に代えることができる”

 つまり、本人自筆の”署名”とスタンプに押印した”記名押印”が法律上同等のものとして扱われるということです。僕は食品工場の社長だった時、取引先と契約をする際に、だんだん契約が自分の不利益になる事に気が付いて、「印鑑を押してないから契約は成立していない。」と声高々に言った記憶があります。その時は相手も知ってか知らずか「ああ、そうですか。」程度の反応で契約を結ばずに済みましたが、勉強して自分の理屈が通らない事を知った今思い返すと本当に恥ずかしくなります。

 そもそものところ、法律をかじったことがある方はご存じだと思いますが、口約束でも担保能力が劣るだけで契約自体は成立しています。色々赤っ恥でした。

 ちなみに似た話で”押印”と”捺印”の違いも調べてみました。言葉の意味としてはほとんど変わらないみたいですが、押印は”記名押印”の略で記名時に押す場合のことで捺印は”署名捺印”の略で署名時に押す場合のようです。さらに似ている言葉で”調印”という言葉がありますが、こちらは印鑑を押す行為に限らず全権代表が行う署名のことだそうです。難しいですね。

今回は以上です。またよろしくお願い致します。